ここでは、Yellowfinをインストールする前に、準備が必要なものについて記載します。
以下に、それぞれの注意点について記載しますのでご確認のうえ準備をしてください。
JREのインストール
Yellowfinをインストールするアプリケーションサーバーには、JRE(Java Runtime Environment)の1.7もしくは1.8がインストールされている必要があります。OracleのウェブサイトからJREをダウンロード、インストールしてください。
※現在OpenJDKも動作保証対象となります。
https://java.com/ja/download/manual.jsp
データベースのインストール
Yellowfinは、分析対象のデータが格納されているデータベースとは別に、Yellowfinのシステムデータを保存するためのデータベースが必要です。システムデータを保存するデータベースを、リポジトリデータベースと呼んでいます。小規模で利用するのであれば、リポジトリデータベースを、Yellowfinをインストールするサーバーにインストールすることも可能ですが、専用のサーバーにインストールすることを推奨しています。
推奨の環境構成 その1
アプリケーションサーバーとリポジトリデータベースを同じサーバーにインストールする構成です。分析対象のデータベースは別のサーバーにあります。注意事項と致しまして、Yellowfinのアプリケーションとリポジトリデータベースがひとつのサーバーのリソースを共有することになりますので、メモリの割り当てなど、アプリケーションとリポジトリデータベースそれぞれリソースの割り当てを十分考慮するようにしてください。考慮が不十分だと、リソース不足によってパフォーマンスに影響が出る場合があります。また、小規模利用であれば、このような構成でも問題ありませんが、利用者が増えたり、複雑なレポートの数が増えるとパフォーマンスに課題が出てくることがあります。そのような場合は、アプリケーションとリポジトリデータベースを別々のサーバーに分離することを検討してください。
推奨の環境構成 その2
アプリケーションサーバーとリポジトリデータベースを、それぞれ別々の専用のサーバーにインストールする構成です。それぞれの環境が独立していますので、リソースを十分に活用できるよう割り当ててください。Yellowfinのアプリケーションとリポジトリデータベースは、頻繁にやりとりをおこないますので、ネットワークによる遅延が発生すると、パフォーマンスに大きな影響を与えることになります。できる限りネットワーク遅延が発生しないような構成にするよう注意してください。
推奨できない環境構成 その1
リポジトリデータベースと分析対象のデータベースが同じサーバーに同居している構成での運用は推奨していません。この構成でパフォーマンスに課題が発生しなかった事例はほとんどありません。(つまり、この構成で運用している事例の多くは、パフォーマンスの課題が発生しているということです)リポジトリデータベースと分析対象のデータベースが、ひとつのサーバーのリソースを共有することになりますので、リソース不足によりシステム全体のパフォーマンスが低下することがあります。
例えば、検索に時間がかかる重たいレポートを実行すると、サーバーのリソースは分析対象のデータベースに割かれます。これにより、リポジトリデータベースに十分なリソースが割り当てられなくなると、リポジトリデータベースのパフォーマンスが低下します。Yellowfinは、画面遷移やレポート実行の際など、頻繁にリポジトリデータベースとやりとりをおこなっているため、リポジトリデータベースのパフォーマンスが低下することによってシステム全体のパフォーマンス低下につながります。
推奨できないの環境構成 その2
Yellowfinのアプリケーション、リポジトリデータベース、分析対象のデータベースすべてが同じサーバーに同居している構成での運用は推奨していません。これは、簡易的なデータでデモンストレーションをおこなうときに最適な構成と言えますが、デモ環境で本番運用をおこなうのはオススメできません。非推奨の環境構成 その1の構成に加えて、アプリケーションも同じサーバーのリソースを共有することになりますので、リソース不足に陥り、パフォーマンスに関する課題に遭遇する可能性が更に高くなります。
以上を踏まえた上で、リポジトリデータベースをインストールするサーバーをよく検討してください。
リポジトリデータベースとして利用可能なデータベース製品は以下のとおりです。
- DB2 Universal Database 8.1 以上
- Oracle Database 9 以上
- PostgreSQL 8 以上
- SQL Server 2000 以上
- Sybase ASE, ASA, IQ
- Ingres
- MySQL 5.x
- Cache’ DB
- TiDB (Beta)
この中でも、リポジトリデータベースとしてよく利用されるデータベース製品は、下記の4製品です。
- PostgreSQL
- MySQL
- SQL Server
- Oracle
これらの4つのデータベース製品をリポジトリデータベースとして使用する際の注意点についてそれぞれ記載します。
すべてのデータベースに共通すること
事前にリポジトリデータベースを作成する場合、データベースの文字コードはUTF-8にしてください。データベースの文字コードがUTF-8以外の文字コードに設定されている場合、日本語が文字化けするなどの問題が発生します。データベースユーザーは、作成するデータベースの所有者(owner)である必要があります。
PostgreSQL
PostgreSQLを使用する場合、インストーラーでデータベースおよびデータベースユーザーを作成することが可能ですが、事前にデータベースおよびデータベースユーザーを作成しておくことを推奨しています。データベースの文字セットはUTF-8で作成してください。
Yellowfinをインストールするサーバーとは別のサーバーにインストールする場合、postgresql.conf、pg_hba.confを編集して、他のサーバーから接続することができるように設定してください。
参考リンク:
他ホストから接続するための設定
https://postgresweb.com/how-to-connect-another-pc
MySQL
MySQLを使用する場合、インストーラーでデータベースおよびデータベースユーザーを作成することが可能ですが、事前にデータベースおよびデータベースユーザーを作成しておくことを推奨しています。データベースの文字コードがlatin1に設定されていることが多いようです。データベースの文字コードを確認し、utf8にセットしてください。
参考リンク:
mysqlで文字コードをutf8にセットする
https://qiita.com/YusukeHigaki/items/2cab311d2a559a543e3a
SQL Server
SQL Serverを使用する場合、インストーラーでデータベースおよびデータベースユーザーを作成することが可能ですが、事前にデータベースおよびデータベースユーザーを作成しておくことを推奨しています。インストーラーでデータベースを作成した場合は、データベースの照合順序がSQL_Latin1_General_CP1_CI_ASになります。その場合、リポジトリデータベースを参照するレポート(監査レポートなど)で日本語のデータの一部が文字化けすることがあります。これを避けるためには下記条件でSQL Server Management Studioなどで事前にデータベースを作成します。
- データベースユーザー(ログイン)を作成します
- 照合順序にJapanese_CI_AS、所有者に1で作成したデーベースユーザーを指定してデータベースを作成します
照合順序はテーブルのカラム単位に保持するため、Yellowfinのインストール後(テーブル作成後)にデータベースの照合順序を変更してもカラムの照合順序は変更されないため注意してください。
また、動的ポートが有効になっていると、Yellowfinから接続することができません。SQL Severの構成マネージャーを使用して、TCP/IPを有効にし、TCPポートを固定してください。
参考リンク:
特定の TCP ポートで受信待ちするようにサーバーを構成する
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/database-engine/configure-windows/configure-a-server-to-listen-on-a-specific-tcp-port?view=sql-server-2017
Oracle
Oracleを使用する場合、インストーラーでデータベースおよびデータベースユーザーを作成することはできませんので、事前にユーザー、表領域、データベースを作成してください。データベースのキャラクタセットは、AL32UTF8で作成してください。リポジトリデータベースに保持するデータが増えることで、表領域が不足してしまう場合がございます。そのような場合は、不足する都度表領域やデータファイルを拡張するか、あらかじめ自動拡張するように設定してください。
Yellowfinが使用するHTTPポートの確認
Yellwofinをインストールするときに、YellowfinがHTTPリクエストを待ち受けるポート(Webサーバーポート)を指定する必要があります。もしYellowfinをインストールするサーバーに、すでにWebサーバーやWebアプリケーションがインストールされている場合、ポートが競合して、Yellowfinが正しく機能しない場合があります。現在使用中のポートを確認し、Yellowfinが使用するポート(他のアプリケーションで使用していないポート)を決めてください。
参考リンク:
netstat - ホストのネットワーク統計や状態を確認する
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/netcom/netstat/netstat.html
TCP/IP通信の状態を調べる「netstat」コマンドを使いこなす
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0207/20/news003.html
ライセンスファイルの入手
Yellowfinを利用するためには、アプリケーションサーバーのホスト名に基づいて発行されたライセンスファイルが必要です。ライセンスファイルは「.lic」ファイルで提供されます。ライセンスファイルの入手方法については、販売パートナー、もしくは弊社営業部門までお問い合わせください。
インストーラーの入手
サポートサイトにログインするためのアカウントをお持ちの方は、最新ビルドのページからインストーラーをダウンロードしていただくことが可能です。アカウントをお持ちでない方は、販売パートナー、もしくは弊社営業部門までお問い合わせください。
※サポートサイトのアカウントはYellowfinのアプリケーション保守に加入している企業のご担当者様、販売パートナーのご担当者様を対象に提供しています。
以上の準備が整いましたら、インストール手順を確認して、Yellowfinのインストールを実施してください。